2021.11.08

11/26 ブックトークイベント 国立夜読 第42回 オンライン

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【ブックガイド部とは】
ブックガイド部は「読書の文脈づくり」をテーマしています。
本は一冊、一冊独立して存在していますが、見えない所でつながっています。
それは人も同じ。
独立して存在するものが交わるときにあらたな文脈が生まれてくるはず。
過去の本と今の本
過去の人と今の人
過去のテーマと今のテーマを
ブックガイドという形でつなげていくことが
われわれの活動の目的です。
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今回もオフライン(国立本店)+オンラインで行います。

今回はデビッド・グレーバー『負債論』の第2回です。

前半はグレーバーの紹介、活動家としての側面や、アナキストしてグレーバーが人類学の知見をもとにして何を理論化しようとしたについて、簡単にお話しました。
後半は『負債論』は紀元前3500年のメソポタミア文明からはじまる人類史について書かれた部分を紹介する予定です。

『負債論』の後半部、グレーバーは歴史区分を大きく以下のようにわけ、それぞれの時代に一章を当てています。
第9章 枢軸時代(前800―後600年)
第10章 中世(600―1450年)
第11章 大資本主義帝国の時代(1450から1971年)
第12章 いまだ定まらぬなにごとかのはじまり(1971年から今日まで)

第2回はこの部分を中心に紹介する予定です。

後半部もグレーバーらしく様々な分野の知見が盛り込まれていますが、メインのテーマは貨幣をめぐる考察です。グレーバーは地金(金塊のようにものそのものに価値があるとされる)と信用と対比をテーマにして歴史的な分析を行っています。前回の説明の際にも紹介しましたが、グレーバーはメソポタミアの時代にすで信用取引的なやり方で公共事業が行われていたことを強調しています。これは貨幣の存在が経済学の前提にとなっているような単純なものではないという考えに基づくものです。長い歴史で見ればもの自体が価値を持つと思われるがゆえにどこでも交換される貨幣(金や銀)と紙切れ、あるいは預金通帳に記入されている情報でしかないものが二重に存在しています。両者はそれぞれの文脈で資産としての価値が認められているわけですが、グレーバーは歴史の中で一方が強く出たり、弱体化したりするダイナミクスを分析しながら、経済のあり方の多様性を明らかにしています。

『負債論』でグレーバーは貨幣および負債、すなわち経済的な信用に関わることがらを、経済学の以外の知識で眺めようとしています。グレーバーがそのようなことを考えたのは、信用ことを歴史的につきつめることによって、資本主義とはなんだったのか?をわかってくると考えたからでしょう。『負債論』のなかでも歴史を振り返った最後に、資本主義とはなんだったのかについて結論めいたことが書かれています。特権を持つ特定の支配構造というやや単純な結論になっているものの、そこにたどり着くまでのグレーバーの議論はなかなか興味深いものあります。

前回同様、グレーバーの豊富な議論を紹介しながら、参加者といろいろ話を広げたいと思っています。

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【概要】
日 時:11/26(金)19:30-21:30
場 所:国立本店 or オンライン(ZOOM)
(申込みがあった方に参加URLをお知らせします)
入場料:無料
内 容:本をめぐるお話
参加方法: ページ下の入力フォームから
or Facebookイベントページの参加ボタンを押す
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