2021.10.12

10/29 ブックトークイベント 国立夜読 第40回 オンライン


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【ブックガイド部とは】
ブックガイド部は「読書の文脈づくり」をテーマしています。
本は一冊、一冊独立して存在していますが、見えない所でつながっています。
それは人も同じ。
独立して存在するものが交わるときにあらたな文脈が生まれてくるはず。
過去の本と今の本
過去の人と今の人
過去のテーマと今のテーマを
ブックガイドという形でつなげていくことが
われわれの活動の目的です。
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今回のイベントはオフライン(国立本店)+オンラインで行います。

今回はデビッド・グレーバーの『負債論』を取り上げます。
今回も2回に分け、前半はグレーバーの紹介をメインに、『負債論』で何が論じられているかを簡単に話してみたいと思います。後半は『負債論』は紀元前3500年のメソポタミア文明からはじまる人類史について書かれた部分を紹介する予定です。

グレーバーの著作の中でも負債論は大著であり、様々な分野の人々に称賛されたことによって一般の人々にもグレーバーが知られる用になったきっかけになった本です。とりわけ日本では、グレーバーの存在は知られてなかったものの、『負債論』に続く、『ブルシット・ジョブ』でがグレーバーの著作として紹介されることも多くなりましたが、それ以上「ブルシット・ジョブ」という言葉がグレーバーとは関係なく、様々な場所で使われるようになり、ちょっとしたグレーバー現象が小さいながら巻き起こりました。残念ながらグレーバーは2020年に59歳で急逝しています。

グレーバーの土台は人類学です。『負債論』は人類学的な知見を多彩に盛り込むことによって、「負債」という考えの中に様々なニュアンスが含まれていることを示しています。グレーバーは負債を歴史的に論じることによって、現在の経済で当たり前とされていることについて、本来は別のものであり得たのではないか、と考えるように読者に問いかけています。その上で根本的な意味での理想的なあり方を示そうとしています。『負債論』の魅力は、膨大な量にもかかわらず、単調な記述が続いているわけではなく知的刺激に満ち溢れている点です。これはグレーバーの他の著作にも言えるスタイルですが、グレーバー自身のモチベーションが知的好奇心にあったためだと思います。

グレーバーは単なる学者ではありませんでした。アカデミックなキャリアを歩み始めるころ、すでにグレーバーは現状の資本主義が生み出す問題についての政治的な運動を展開していました。2011年にアメリカで盛り上がったオキュパイ運動では(ウォール街で展開された政界・財界に対する抗議運動)スローガンに使われた”We are the 99 percent”というスローガンが使われたはグレーバーの影響が大きかったとされています。

『負債論』は難解で書かれていることには興味があるけれど、グレーバーが何をいいたかったのかにたどり着くまでに挫折することがほとんどだと思います。今回は『負債論』の解説というよりは、「アナキズム」をキーワードにグレーバーは何を考えようとしたのかについて共有し、経済についての考え方をどのようにアップデートしうるのかについて参加と議論してみたいと思います。

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【概要】
日 時:10/29(金)19:30-21:30
場 所:国立本店 or オンライン(ZOOM)
(申込みがあった方に参加URLをお知らせします)
入場料:無料
内 容:本をめぐるお話
参加方法: ページ下の力フォームから
or Facebookイベントページの参加ボタンを押す
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