2023.01.17

1/29(日)読書会 リアル/オンライン併催『薔薇の名前』ウンベルト・エーコ

国立本店の読書会、今回も現地開催+オンラインの形式で開催します。

取り上げるのはウンベルト・エーコの『薔薇の名前』です。

「理論化できないことは物語らなければならない」(ウンベルト・エーコ)

哲学者・記号論学者であったウンベルト・エーコ(1932-2016)が48歳にして著した初の小説です。出版社からは3000部ぐらいだろうと予想されたといわれるその作品は、世界で5500万部を超える大ベストセラー・ロングセラーとなり、数多の読書人を魅了してやまないものとなりました。慶応義塾大学出版会の「世界を読み解く一冊の本」シリーズにもラインナップされているほどの書物史にその名を刻む本です。

異端審問の嵐が吹き荒れる中世ヨーロッパのキリスト教世界、イタリア北部の山上の修道院で起こる修道僧の連続殺人事件。修道院にある迷宮のような文書庫と一冊の謎の書物をめぐって話は展開します。派手などんでん返しがあるわけではないのですが(その意味ではアンチミステリーであるかもしれません)、主人公の探偵と黒幕の対決、推理の展開や伏線回収はミステリーの醍醐味といえるものでしょう。1986年にショーン・コネリー主演で映画化され、2019年には4K映像の海外ドラマ版も制作されました。

「十四世紀ドイツ人修道僧の綴ったラテン語による回想記をフランス語に訳した本を入手した現代イタリア人(=エーコ)」というプロローグから始まり、文中はエーコが仕掛けたさまざまな“引用”から成り立つこの作品。書物の歴史やヨーロッパの歴史、言語というものについても壮大なスケールで考えさせられる得難い読書体験といえるでしょう。

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日 時:1/29(日)18:00 –20:00
場 所:国立本店(現地開催+オンライン)
(オンライン参加情報は申し込みをされた方にお知らせします)
入場料:無料
内 容:読書会
『薔薇の名前』ウンベルト・エーコ
参加方法:このページの下の入力フォームから
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*これまでに国立本店読書会で読んだ本*

・本の未来を探す旅 台北(内沼晋太郎・綾女欣伸)
・折りたたみ北京(ケン・リュウ編集)
・服従(ミシェル・ウエルベック)
・天安門(リービ英雄)
・犬婿入り(多和田葉子)
・地下鉄道(コルソン・ホワイトヘッド)
・野火(大岡昇平)
・少年が来る(ハン・ガン)
・雨月物語(上田秋成)
・わたしの名は赤(オルハン・パムク)
・人間・この劇的なるもの(福田恆存)
・灯台へ(ヴァージニア・ウルフ)
・グミ・チョコレート・パイン(大槻ケンヂ)
・モモ(ミヒャエル・エンデ)
・1973年のピンボール(村上春樹)
・ジャッカ・ドフニ(津島佑子)
・族長の秋(ガブリエル・ガルシア=マルケス)
・ソロモンの歌(トニ・モリスン)
・ディディの傘(ファン・ジョンウン)
・路上の陽光(ラシャムジャ)
・書記バートルビー(ハーマン・メルヴィル)
・月は無慈悲な夜の女王(ロバート・A・ハインライン)

 

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