2022.11.10

11/27読書会@リアル/オンライン併催 ハインライン『夜は無慈悲な女王』


国立本店の読書会、久しぶりの開催です。

これまで長くオンラインで開催してきましたが、今回は現地開催+オンラインの形式でやってみます。

取り上げるのはSFの古典的名作、ロバート・A. ハインラインの『夜は無慈悲な女王』です。

ハインラインといえば日本では『夏への扉』が有名です。2021年には舞台を日本に移して作られた実写映画が公開されるなど根強い人気を持っています。『夏への扉』はハインラインの代表作ですが、『夜は無慈悲な女王』も同じくらい有名で同じく代表作として挙げられる作品です。

『夏への扉』がSF要素以上に人間ドラマの要素が強いのに対し、『夜は無慈悲な女王』は政治的な要素が強く、万人に人気があるのは前者ですが、SF的な要素が多く含まれているのは後者であり、SF入門としてはやや重いものの、一度は読みたい作品です。

物語は2076年の月が舞台。月は地球で犯罪を犯した人々の流刑地として存在しており、地球の植民地のような描写で描かれています。主人公は月で生まれ育ったコンピュータ技師で、高い知能を持ったコンピュータと出会い、その後月の反政府組織と関わりながら月の独立を目指して奮闘するという革命小説になっています。

『夜は無慈悲な女王』は小説としてはやや長めで、設定・展開が複雑な部分もありますが、登場人物がそれぞれに魅力的な特徴をもち、それらが重なり合いながら物語が進んでいくため、飽きさせない展開になっています。また地球とは異なる月の世界独自の文化設定、そして革命へ向かうドラマチックな展開、人工知能の描写など読みどころは多い小説です。

小説は3章で構成されていて、有名作ゆえにあらすじはWEBで探すこともできるので挫折しそうなときは、そんな情報も手がかりに読み進めていけば、よいSF入門体験になるのではないでしょうか。

SFに興味はあるけれどなんとなく手が出せないでいる方、『夏への扉』は読んだけどこちらは全く知らないという方など、主催者側もSF初心者なので気軽にご参加ください。お待ちしています。

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日 時:11/27(日)17:00 –19:00
場 所:国立本店(現地開催+オンライン)
(オンライン参加情報は申し込みをされた方にお知らせします)
入場料:無料
内 容:読書会
『夜は無慈悲な女王』ロバート・A・ハインライン
参加方法:このページの下の入力フォームから or FACEBOOKイベントページの参加ボタンを押す。
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*これまでに国立本店読書会で読んだ本*

・本の未来を探す旅 台北(内沼晋太郎・綾女欣伸)
・折りたたみ北京(ケン・リュウ編集)
・服従(ミシェル・ウエルベック)
・天安門(リービ英雄)
・犬婿入り(多和田葉子)
・地下鉄道(コルソン・ホワイトヘッド)
・野火(大岡昇平)
・少年が来る(ハン・ガン)
・雨月物語(上田秋成)
・わたしの名は赤(オルハン・パムク)
・人間・この劇的なるもの(福田恆存)
・灯台へ(ヴァージニア・ウルフ)
・グミ・チョコレート・パイン(大槻ケンヂ)
・モモ(ミヒャエル・エンデ)
・1973年のピンボール(村上春樹)
・族長の秋(ガブリエル・ガルシア=マルケス)
・ソロモンの歌(トニ・モリスン)
・ディディの傘(ファン・ジョンウン)
・路上の陽光(ラシャムジャ)
・書記バートルビー(ハーマン・メルヴィル)

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