2021.12.17

【1/10読書会@オンライン】津島佑子『ジャッカ・ドフニ 海の記憶の物語』

【本イベントはオンライン(ZOOM)で行います】

前回に引き続き、オンラインで開催します。
今回の課題本は津島佑子の『ジャッカ・ドフニ 海の記憶の物語』です。

津島佑子さんは1947年生まれの小説家。小説家としてデビューした70年代から文壇の評価は高く、昭和後期移行の日本文学を代表する作家の一人です。

『ジャッカ・ドフニ 海の記憶の物語』はアイヌの母と日本人の間に生まれた少女の一生を描いた小説で、17世紀のアジアを舞台にした壮大な一大叙事詩ともいえるような作品です。現在と過去、そしてアジアと日本が交わるような津島さん独特の記述もあり、物語の流れに引き込まれながらも、いろいろ考えさせられることの多い小説になっています。

津島さんは少数者、暴力、愛といったテーマを民族や信仰を交えながら書いていく、どちらかというと重厚なタイプの小説家である一方、読みやすい文体で多くの読者に愛されていた作家です。無くなる直前に書かれた本作はその集大成とも言える作品で、アイヌや隠れキリシタンといった民族と迫害、家族、そして家族を超えた愛が物語の中でそれぞれ関連しながら描かれています。

主人公のアイヌへのこだわりが、アイヌの口承文学として物語の中に埋め込まれている点も、この小説を興味深いものにしています。大きくそして多彩なテーマを持ったこの長編小説は、読む人ことに違いはあれど、それぞれに強く感動するところがあるのではないでしょうか。

十分に読み込めなかった方も、ばっちり読み切った文学好きもどちらも大歓迎です。

日 時:1/10(月)19:00 – 21:00
場 所:オンラインイベント
(申し込みをされた方お知らせします)
入場料:無料
内 容:読書会
参加方法:FACEBOOKイベントページの参加ボタンを押す。
またはこのページの下の入力フォームから

*これまでに国立本店読書会で読んだ本*
・本の未来を探す旅 台北(内沼晋太郎・綾女欣伸)
・折りたたみ北京(ケン・リュウ編集)
・服従(ミシェル・ウエルベック)
・天安門(リービ英雄)
・犬婿入り(多和田葉子)
・地下鉄道(コルソン・ホワイトヘッド)
・野火(大岡昇平)
・少年が来る(ハン・ガン)
・雨月物語(上田秋成)
・わたしの名は赤(オルハン・パムク)
・人間・この劇的なるもの(福田恆存)
・灯台へ(ヴァージニア・ウルフ)
・グミ・チョコレート・パイン(大槻ケンヂ)
・モモ(ミヒャエル・エンデ)
・1973年のピンボール(村上春樹)

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