2021.12.06

12/18 ブックトークイベント 国立夜読 第43回 オンライン


~本イベントはオンラインで開催します~
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【ブックガイド部とは】
ブックガイド部は「読書の文脈づくり」をテーマしています。
本は一冊、一冊独立して存在していますが、見えない所でつながっています。
それは人も同じ。
独立して存在するものが交わるときにあらたな文脈が生まれてくるはず。
過去の本と今の本
過去の人と今の人
過去のテーマと今のテーマを
ブックガイドという形でつなげていくことが
われわれの活動の目的です。
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今回は思想家、そして市民活動家としての側面も持っていた鶴見俊輔さんを取り上げます。

鶴見俊輔さん1922年生まれの思想家で、2015年に亡くなりました。戦後1946年に雑誌『思想の科学』の立ち上げ、その後50年に渡りこの雑誌に関わり続けました。

終戦時の鶴見さんは23歳で、戦時中にハーバード大学を卒業、1942年に日米交換船で日本に戻ったのちに、インドネシアのジャカルタで従軍した経験を持っています。戦前・戦中の日本をテーマに執筆をした人は多くいますが、その中でも鶴見さんは、一つの思想的な立場に立つことを避けつつ、戦時中の日本の精神的な変化を分析した点において稀有な人です。戦後においては多様な市民のなかに戦争に向かう背景となった文化的背景に抵抗する根拠を見出しました。

思想の科学は作家、文化人などではない一般の人々の投稿論文を載せるなど、普通の雑誌とは少し異なる性質をもった雑誌でした。自主学習的な文化活動から出てきた書き手の原稿を載せるなど、他の雑誌には存在しない知のあり方の拠点となった象徴的な雑誌の一つです。

今回取り上げる本は『日本人は何を捨ててきたのか』というインタビューに近い対談本です。
ここで鶴見さんは戦前・戦中・戦後の話をしながら、

鶴見さんは日本が近代国家として成立するために作られた近代的自我は一種の「樽」として機能したと表現しています。それは樽の外を見る必要をなくすことで、均質的な世界観をもたせることに成功したけれど、本来意図した本当の意味での「個人」にとってその樽は自由な思考を制限する「檻」になってしまったと述べています。鶴見さんにとっては思想は何かを強制することに対抗する振る舞いであり、だからこそ、権威的に体系化された思想には懐疑的な一方で、個人として活動する市民の語り口の中に思想を見出しました。

インターネットが普及するなかで鶴見さんが意図した「個人」は今、存在するといえるのか?戦前・戦中・戦後を鶴見さんの言説で振り返りながら、そんなことを参加者と話してみたいと思います。

読みやすい本なので事前に読んでもらうのもいいと思いますが、国立夜読では、本を考えるテーマを設定するための補助線のようなものとして考えているので未読での参加も大歓迎です。当日はこちらで本の内容を一部ピックアップして解説しながら雑談的にいろいろ話していきたいと思います。興味のある方はお気軽に参加ください。

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【概要】
日 時:12/18(土)19:30-21:30
場 所: オンライン(ZOOM)
(申込みがあった方に参加URLをお知らせします)
入場料:無料
内 容:本をめぐるお話
参加方法: ページ下の入力フォームから
or Facebookイベントページの参加ボタンを押す
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