2020.10.05

10/23 ブックトークイベント 国立夜読 第29回

202010_夜読_加藤典洋_HP

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【ブックガイド部とは】
ブックガイド部は「読書の文脈づくり」をテーマしています。
本は一冊、一冊独立して存在していますが、見えない所でつながっています。
それは人も同じ。
独立して存在するものが交わるときにあらたな文脈が生まれてくるはず。

過去の本と今の本
過去の人と今の人
過去のテーマと今のテーマを
ブックガイドという形でつなげていくことが
われわれの活動の目的です。
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3ヶ月ぶりに国立本店でのリアルイベントです。
今回は日本の政治で一つ区切りがあったことをちょっとだけ考慮し、少し現代史的な話をしたいと思っています。
取り上げるは文芸批評家の加藤典洋さんです。

加藤さんは1948年に生まれで、2019年に亡くなられました。亡くなられてまだそれほど時間は経ってないこともあってか、大きな書店の文庫のコーナーに行くと加藤さんの本が平積みされているのをしばしば見かけます。加藤さんと同じ時代を生き、本を読み、政治について考えてきた世代にとって、加藤さんの死について思うところは多いのだろうと感じます。

加藤さんの関心,問題意識は「戦後」です。端的にいうと、戦後の「対米従属」構造、すなわち戦後ずっと続いてきたアメリカと日本の奇妙な関係について、加藤さんは一貫して書き続けました。デビュー作である『アメリカの影』、そして『敗戦後論』、『戦後入門』、小説、思想などを多様に織り交ぜながら、時代時代でその影響を分析してきたのです。

敗戦という事実を認識することについて、ある特定の見方が正しいということはありえない、という立場に加藤さんは立っていたと思います。むしろその時代に生きた人それぞれが、その時代を生きるために、自分なりのやり方で戦後を認識していたとするならば、加藤さんの批判はここまでの持続はありえなかったかもしれません。ある時期以降、日本の多くの人間が、敗戦というある種受け取りの難しい事実について、受け取り方を悩まなくなったことに、加藤さんは違和感を持っていました。

加藤さんが論じているのは政治的な構造の分析ではありません。文芸批評家として加藤さんが扱ったのは人々の内面に歴史的事実がどう反映されているか、ということだったと思います。日本の戦後には文学的な領域でみても、大きなねじれが存在していた。加藤さんは一貫してそれを問い,批評し続けていたと思います。
日本の戦後を対米関係を軸にして話す場合には政治的な話は避けられないので、いくつかのトピックスを扱います(『戦後入門』から)。一方、今回は『日本の無思想』という本で示されていた、「公と私」のバランスを取ることの難しさについて考えてみます。戦後という時代が、ホンネとタテマエを使いわけながら、ホンネの部分にすら全く信念を持てないような、価値相対的な時代だったのか、いろんな世代と話し合えるといいと思います。
【概要】
日 時:10/23(金)19:30-21:30
場 所:国立本店
入場料:無料
内 容:本をめぐるお話
参加方法: 国立本店のWEBページ入力フォームから

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