2020.02.02

2/21 ブックトークイベント 国立夜読 第25回

アイキャッチ_メディアと記号_HP
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【ブックガイド部とは】
ブックガイド部は「読書の文脈づくり」をテーマしています。
本は一冊、一冊独立して存在していますが、見えない所でつながっています。
それは人も同じ。
独立して存在するものが交わるときにあらたな文脈が生まれてくるはず。

過去の本と今の本
過去の人と今の人
過去のテーマと今のテーマを
ブックガイドという形でつなげていくことが
われわれの活動の目的です。
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国立本店メンバーの二人が月に一度、様々な本を紹介しています。

今回は”メディアと記号”をテーマにしてお話します。

国立夜読ではこれまでに”本とは何か”を考えるなかで、”メディアとして本”の話題になることが何度かありました。”本とは何か”
という問に答える際には、”メディアとしての本”というテーマを考えないで答えることは難しい。 言い換えると、われわれの意識に影響に与える”認知的なテクノロジー”の変化を意識しないで”本とはこういうもの”と簡単にいうことはできないのです。

あまりに多くの情報が溢れている状況に対して、日々違和感を覚えている人もいると思われますが、その感覚はおそらく”本”や”読書”という行為の変化とどこかつながっているはずです。インターネットの普及は、文字情報だけではなく、視覚・聴覚情報が入り乱れ、大量、そして隙間なく我々の意識に流れこんできます。そんな中では以前まで「モノ」として存在した本との人間との関係性は変わってこざるを得ません。一言で言えばメディア環境が多様化したということですが、その変化は非常に複雑で説明困難です。

そんな状況を理解するために、ちょっと解説風になる可能性がありますが、今回は2つの講義本をメイン取り上げます。一つは石田英敬さんの『大人のためのメディア論講義』、もう一つは同じく石田英敬さんと、東浩紀さんの『新記号論』です。2019年に出版された『新記号論』は一部で衝撃的に受け止められた野心作で、国立夜読で「メディアと記号」というテーマの回を設けるきっかけになりました。

石田英敬さんはメディア情報学を専門としている哲学者、一方で批評家で哲学者である東浩紀さんは広い範囲で発信を行っていて多くの人々に知られた方です。『新記号論』は東さんが聞き手になった講義が本として出版された、という話題性もあって、多くの人が手に取ったようです。
二つの講義本には共通するところが多く、脳神経科学の発達によって、本来そのあり方が問われることになった人文科学を「記号論」で再構築するという意図が含まれています。『新記号論』では石田さんが神経科学の成果を人文知の観点から説明することに東さんが驚くという場面がいくつかあり、これまである意味では変わらないものとして捉えられてきた人文的な知と、絶えず更新し続ける科学的な知が融合されていくところに衝撃があります。

石田さんはマルチタスク、ハイパーアテンション状態にあって、メディアに振り回されがちな現状に対して、改めて人間がイニシアティブを取るために何ができるかを提示しています。自由、すなわち自分でコントロールするために現状を捉える知が改めて必要とされていることは間違いありません。

めまぐるしく変わっていくテクノロジーの中で我々の意識がどう変わっていくのか、その危うさと関わり方を考えてみたい方、簡単な解説ののち議論してみましょう。
【概要】
日 時:2/21(金)19:30-21:30
場 所:国立本店
入場料:無料
内 容:本をめぐるお話
参加方法:FACEBOOKイベントページの参加ボタンを押す。
このページの下の入力フォームから

【今後のラインナップ】
2020年3月 鶴見和子
2020年4月 多田富雄
2020年5月 テーマ:民藝
2020年6月 宮本常一
2020年7月 テーマ:書物

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