2018.06.05

6/22 ブックトークイベント 国立夜読 第7回

夜読7回

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【ブックガイド部とは】
ブックガイド部では、「読書の文脈づくり」をテーマしています。
本は一冊、一冊独立して存在していますが、見えない所でつながっています。
それは人も同じ。
独立して存在するものが交わるときにあらたな文脈が生まれてくるはず。

過去の本と今の本
過去の人と今の人
過去のテーマと今のテーマを
ブックガイドという形でつなげていくことが
われわれの活動の目的です。
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広い読書範囲を持つ二人が語り役、聞き役に分かれてテーマについて話します。
対話の中で本を紹介していくという形式です。

少人数でやっているので参加者の質問も大歓迎。(聞くだけでも楽しめます)

【テーマについて】
河合隼雄さんは日本を代表する心理学者の一人です。
ユング派の分析化として実際の臨床現場でも活動され、箱庭療法をという心理療法を日本で広めた方でもあります。

著作も多数残されていて、心理学分野だけではなく、仏教や児童文学、日本の神話分析から引き出しだ独特の日本論など多岐に渡ります。対談も非常に多く、冗談まじりでやさしい語り口は読む側を安心させてくれます。

河合さんの思考の奥には、自己というものは本質的に無意識的なものから来ているというユング的な考え方があります。
自己を獲得する過程で人間は様々な困難をかかえます。そしてその過程はそれぞれに違う。東洋を強く意識したユングに影響を受けた河合さんも大きく西洋と東洋の違いを意識し、トータルな存在として生きるということはどういうことなのかを問い続けました。

河合さんの大きなテーマに神話があります。
河合さんは「神話の喪失」が「関係性の喪失」とどこか関係があると見ていました。これは子どもたちを中心として、多くの人がもっている「居場所のなさ」とも関係しているでしょう。

河合さんはジョセフ・キャンベルという神話学者の言葉を引いて神話の重要性について述べています。「物事は神話化されるにはあまりにも早く変化しすぎる」(キャンベル)のが、現代の特徴です。これに対してキャンベルは「各個人が自分の生活に関わりのある神話的な様相を見つけていく必要があります」と言っています。個人的な神話を見出すこと。その参考になると考えて河合さんは日本の神話についての分析を書いたのです。

最後の対話となった小説家の小川洋子さんとの対談本の題名は『生きるとは、自分の物語をつくること』でした。河合さんは大人の小説は読んでこなかったけれど、子どもの本は大好きでたくさん読んできたと書いています。幼いときから物語に強い関心があったことが、河合さんの一連の仕事を支えていたと言えます。

「自分の物語をつくる」ということは、不合理のあふれる世界のなかで自分が生きていけるように、自分なり意味付けをしていくということ。臨床家としての河合さんはそれをサポートする存在と自身を位置づけていました。

今回は『無意識の構造』『中空構造日本の真相』『神話と日本人の心』あたりを紹介しようと思います。河合さんの土台となったユング心理学の受容から、独自の日本論についてお話できればと思います。

【概要】
日 時:6/22(金)19:30-21:30
場 所:国立本店
入場料:無料
内 容:本をめぐるお話
参加方法:FACEBOOKイベントページの参加ボタンを押す。
または国立本店のWEBページ入力フォームから

【今後のテーマ】
7月 書物について
8月 これまでの振り返り

【これまでに取り上げた人・テーマ】
・見田宗介 https://kunitachihonten.info/?p=2755

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https://www.facebook.com/events/184026318880386/
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