2017.10.31

国立本店ブックガイド部 第0回選書

ブックガイドweb用2-01

試験的に始めたブックガイド部の活動ですが、まだルールが明確に決まってないところもあるので第0回目として選書結果を公開します。

今回は大澤真幸・見田宗介『〈わたし〉と〈みんな〉の社会学』を下敷きにしての選書です。

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選書ルール

5つのテーマを設けて各テーマ五冊ずつ選びました。
11/2のイベントでは1つのテーマについて、一冊ずつピックアップして紹介します。
今回の選書では実際に二人が所有しているもので選びましたので、11/2には実際に本が触っていただけます。その後も、棚の一角にスペースを設けて本を置いておくので、紹介した本は国立本店に来れば読むことができます。
(個人の蔵書などで買うことはできません。)


①【”自我”をめぐる思考】

見田宗介=真木悠介は人間の「主体性」と「共同性」の相反を、「愛とエゴイズム」の問題と捉えました。生物学的には種の保存を目的とするシステムの一部でしかないという見方に対して、自我の独自性、主体性のあり方を見出そうとしています。

取り上げる本

真木悠介『自我の起源』

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②【近代的思考に対する違和感】

現代の世界を成立させている近代的思考は理性的・規範的です。一部の文化人類学者が示したのは、近代から外れた文化に見られるのは非合理ではなく、「別の合理性」あるいは「別の世界」をであるということでした。そこには自他を分離しないエコロジカルな共同感覚がありました。

取り上げる本

真木悠介『気流のなる音』

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③【資本主義のゆくえ】

資本主義に何か問題があるのではないか、という問いは19世紀以降、常に提示されてきました。今は資本主義が「持続可能か」が問題になっています。生産と消費で成立する現代社会は、今後どのような形で変容していくのでしょうか?

取り上げる本

見田宗介『現代社会の理論』

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④【未来を構想すること】

現実は多様なのに対して、理想は具体的であればあるほど画一的になる危険性を孕んでいます。一方で普遍的なレベルにおいてユートピア的未来を構想することは、我々が「価値を求める存在」であり続けようとすることである。見田宗介=真木悠介の姿勢には思考が込められているように思えます。

取り上げる本

見田宗介『社会学入門』

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⑤【コミュニティ】

重要だと多くの人が思っているけれど、そう簡単には形成されないのがコミュニティ。伝統的な共同体が失われた現代の困難を受け止めつつ、人が集まることで自然発生的に生まれてくる規範と共通感覚に目を向けます。

取り上げる本

稲葉 陽二『ソーシャル・キャピタル入門』

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