2015.09.15

【夏のほんまつりレポートその1】

本棚作りレポート

3期の最後イベントとして、本店本棚企画を メンバーが薦める100冊本にしました。

9月から 体制が大きく変わること、平日の店番の状況など、本店の棚の活用を考えて、
「夏」「本」 といえば、100冊!という安易な考え方で企画は始めました。
毎年 大学通りにある増田書店さんとも連携をとってやっている本企画でもあるので、
本を販売をするかも含めての検討も合わせていました。

「どう100冊選ぼうか」
「少しは何かひっかかりがあったらいいね」
「本と本をつなぐのか」「出会いは重要だよね」
「ひらがな3、4文字でテーマ10個にすれば何となく統一感が出来るのでは」
という話がでて、テーマとなるキーワード列挙が始まりました。

そのブレインストームから、40ぐらいでたのでしょうか、
そこから何となく、今年1年どうだったか?国立本店メンバーとして、「何」に出会ったか?がポイントになりました。

そして選んだキーワードが
「つなぐ」「はしる」「におう」「なやむ」「たべる」「すっぱい」「かゆい」「まるい」「ひみつ」「ひびく」
でした。

それをもとに、メンバーの選書がスタートし、本が推薦されてきました。
FB上で推薦本を挙げてもらいましたが、この過程も面白かったです。
本同士の相乗効果もあり、有名な本ではないが、選者ならではのキーワードの結びつけ、
推薦コメントが並んでいきました。

締め切りまでに140冊ほどの本が集まり、それを絞る作業を始めました。
キーワード別に偏りがあったのを調整し、最終的に100冊へ確定しました。
そこでの選書作業でのメンバー同士ののやりとりもそれぞれの個性が出ていて楽しいものでした。

選書内容に絶版されているものが複数含まれてきたので、本を販売するよりも紹介する方が良いのでは、
ということで本の販売は増田書店さんにお願いすることに。
選書リストを伝え、取り寄せられるものをお願いして、書店内に特設棚も設置して頂けることになりました。

最後は棚作りです。
自分は本屋でバイトをしたこともないのですが、とりあえず、選書された本を面だしして並べてみることにしました。
このキーワードならこう並べるかな?など試行錯誤をしながら、棚に当てはめていきます。

最初は一部の本を面だしすればよいかと思いましたが、そのうちに全てを出した方が、面白いことに気付きました。
選書された本、コメントとなったしおり、そしてくくられたテーマ、そのビジュアルはなかなかの迫力をもっていたのです。
キーワードと選書の違和感から手に取りたくなるような、それぞれの本が主張をしているような、それでいて今期のメンバーの顔がみえるような
面白さになったのでした。

期間中に本に纏わる方々が トークイベントとして参加して頂きましたが、棚を見て すごく楽しんでくれたのが良かったです。

ここまで レポートを書いてて思い出したのは梶井基次郎の「檸檬」でした。

勝手に本屋にいって、美術書を積み上げて、その上に檸檬を置いていく。
だれが見てるでもないが、その光景は何かの象徴として、文学史上に刻まれています。
まさに人が出会って、本が100冊選ばれて、棚と出会うとこんな面白いことになるのだなぁ、と。

増田書店さんのほうも、入口はいって すぐ右側に特設棚を作って頂きました。
街の本屋の中に、自分達の選書が並ぶのはどんな感じだろう、その前には、本家 新潮文庫「夏の100冊」がある。
その対比も面白かった。
本好きになるキッカケだった新潮文庫「夏の100冊」。実際 自分も若い頃にハマって読んだ「夏」がありました。
本が好きで 本を読んでいった普通の人が選んだ本店の100冊。なぜこれが?のキーワードとともに並んだ選書。

その違和感な棚も、まさに国立本店がしかけた「檸檬」だったのでは。

来店者にどんな影響がでるか、はたまた増田書店さんにはなにかメリットはあったのか、
いろいろと思うことはありますが、その結果は思わぬところで現われるのだと思います。

選書された本のリストは、目録として小冊子にまとめられ、これだけ読んでも 人と本の結びつきが感じられるものとなっています。
表紙は本家にリスペクトをはらいつつ、メンバーの替わりに金次郎アイコンが本を読んでいるところをデザインしたものとなってます。
国立本店にて、150円で販売しております。(よろしければどうぞ!)

最後に。
メンバーの皆様、見にきて頂いたお客様、またいつもご協力頂いている増田書店様、ありがとうございました。

新関
国本100冊

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