2019.05.05

5/17 ブックトークイベント 国立夜読 第17回

【名前は知ってるけど読んだことがない、くらいの人が対象のイベントです】

 

190517河合隼雄2

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【ブックガイド部とは】
ブックガイド部は「読書の文脈づくり」をテーマしています。
本は一冊、一冊独立して存在していますが、見えない所でつながっています。
それは人も同じ。
独立して存在するものが交わるときにあらたな文脈が生まれてくるはず。

過去の本と今の本
過去の人と今の人
過去のテーマと今のテーマを
ブックガイドという形でつなげていくことが
われわれの活動の目的です。
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読書範囲の広い国立本店メンバーの二人が様々な本を紹介していきます。
一冊の本から付随していつかの本を紹介するというスタイルです。

少人数でやっているので参加者の質問も大歓迎です。
テーマはややハードですが参加者からの反応を中心にして話を広げているので全くわからないということはないはず。

読書が重たいと感じやすくなってきた世の中で、一人では到達しがたい読書世界を案内できればと思っています。

【テーマについて】
今回取り上げるのは河合隼雄さんです。

河合隼雄さんは日本を代表する心理学者の一人です。ユング派の分析化として実際の臨床現場でも活動されました。
1928年兵庫県生まれで2007年に亡くなっています。晩年は民間人でありながら文化庁長官として活躍されたりもしました。日本心理臨床学会を設立し、臨床心理士制度や、スクールカウンセラー制度の確立に尽力するなど、臨床の現場を離れることを続けながら、より一般的なレベルで社会に対する働きかけをした人でした。

また河合さんには『中空構造日本の深層』、『母性社会日本の病理』という作品があるように、日本文化に対する鋭い分析あります。やや批判的な面の多いこれらの日本文化論には、河合さんが戦争体験中に触れた軍国主義的抑圧への強い嫌悪感が反映されているように思います。比較的明解に説明されるこれらの本は河合さんの一側面です。

今回はそんな河合隼雄さんの多様な部分をお話するために少し変わった二冊の本を取り上げます。
『思想家 河合隼雄』と『臨床家 河合隼雄』。
『思想家 河合隼雄』は中沢新一さんと河合俊雄さんが編者で、『臨床家 河合隼雄』は谷川俊太郎さんと河合俊雄さんが編者とな河合俊雄さんは河合隼雄さんの息子さんで同じく心理学者。中沢さんは宗教学、人類学など詳しい思想家で、谷川俊太郎さんは詩人です。

「二流の芸術家が臨床家になる」と語っていたように、人間の心理の本質が西洋哲学のような体系性によって説明されるものではなく、芸術・芸能のように体系性を超えた表現の中に見出されると考えていた節があります。
広い分野の人と対談している河合さんには、詩人では谷川俊太郎さん、小説家では村上春樹さん、小川洋子さんとの対談があります。

そういった対談は優しさと遊び心に溢れていますが、一方で河合さんにはある種の厳しさがありました。取り上げる2冊にはそのようなメッセージが込められています。河合さんが「マジメも休み休み言え」、「説教の効果はその長さと反比例する」などコミカルな表現を好んだのは、特定の考えが固定することを避けるためだったのかもしれません。

複数の人から見た河合隼雄を通して、人間の心理の曖昧なところを言葉にしていくような、興味深い会になると思います。

【概要】
日 時:5/17(金)19:30-21:30
場 所:国立本店
入場料:無料
内 容:本をめぐるお話
参加方法:FACEBOOKイベントページの参加ボタンを押す。
このページの下の国立本店のWEBページ入力フォームから

【今後の予定】
・網野善彦
・書物論
・振り返り

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