2019.12.09

12/27 ブックトークイベント 国立夜読 第23回

アイキャッチ_山口昌男HP
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【ブックガイド部とは】
ブックガイド部は「読書の文脈づくり」をテーマしています。
本は一冊、一冊独立して存在していますが、見えない所でつながっています。
それは人も同じ。
独立して存在するものが交わるときにあらたな文脈が生まれてくるはず。

過去の本と今の本
過去の人と今の人
過去のテーマと今のテーマを
ブックガイドという形でつなげていくことが
われわれの活動の目的です。
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国立本店メンバーの二人が月に一度、様々な本を紹介しています。

今回紹介するのは人類学者・山口昌男さんです。

いわゆるフィールドとの出会いを通して記述をしていく人類学者とは違って、山口さんは人類学的「書物派」という感じがします。

山口さんもアフリカやインドネシアというフィールドを調査し、フィールドをテーマにした文章を書いていますが、いわゆる人類学者との違いは、山口さんの思索が「読書」を中心にしていたことにあります。フィールドでの実感を踏まえつつも、書かれた内容は神話や歴史学・哲学・社会学・人類学など、様々な知的な要素が混ざりあって展開されています。

山口昌男さんは1931年北海道生まれ、大学では文学部国史学科だった山口さんですが大学院の頃にはアフリカ研究に移っています。もともと歴史学というよりも「精神史」、人々が何を考えてきたかの歴史に興味があったという山口さんは、「読む」ことを中心に人間の思考の連なりを求め、人類学という人間の普遍的な性質に迫る学問へと広がったと捉えることもできるでしょう。書かれたことを読み、書かれたものたちがネットワークを形成していくところを文章として捕まえる。山口さんのその手腕はとても鮮やかなものでした。蔵書家としての伝説も語られる山口さんは、書物というそれぞれに独立した存在が集合し、ネットワークすることによってコンテクストが生まれてくるということについて自覚的でした。

山口さんの知の連なりに出会い、知的好奇心を刺激され、それが多くの読書体験の入り口になったという人も多くいると思います。テーマが自由に展開していくさまは学問的制約から開放されていくようでもあり、それでいて知的な刺激を多く与えてくれるという点で、山口さんの著作は稀有なものだったと言えます。

そんな山口さんが取り組んだ象徴的なテーマが「道化」です。
山口さんは道化を、日常と非日常の間に存在し、両者を橋渡しする存在として分析しています。道化的存在は、世界中の神話や伝説に形を変えて存在しています。その異質性によって混沌をもたらし、場面を展開させていく道化。山口さんはそのような象徴を求めた人類が、根源的に生と死、正常と狂気、日常と非日常、正義と悪を内に秘めていることに迫ります。「道化」というテーマは興味深い知的ネットワークの入り口になっているのです。

一見学問的ではありますが、よくよく見てみると大きく学問の領域を超えて縦横無尽に言葉を紡いでいく。それが山口さんの文章の特徴です。小説やエッセイなどは違った論文調の文章とはいえ、ある意味で山口昌男はアーティスト性の強い作家だったと言えるかもしれません。そんな山口さんの魅力が少しでも伝わる回にしたいと思います。

本としては『道化の民俗学』『歴史・祝祭・神話』『文化と両義性』などの比較的初期の内容を紹介ます。

年の暮れにちょっとした「異型のもの」に触れてみたい方は遊びに来てみてください。
【概要】
日 時:12/27(金)19:30-21:30
場 所:国立本店
入場料:無料
内 容:本をめぐるお話
参加方法:FACEBOOKイベントページの参加ボタンを押す。
このページの下の国立本店のWEBページ入力フォームから
【今後のラインナップ】
2020年1月 見田宗介(宮沢賢治について)
2020年2月 テーマ:メディアと記号
2020年3月 鶴見和子
2020年4月 多田富雄
2020年5月 テーマ:民藝
2020年6月 宮本常一
2020年7月 テーマ:書物

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