2019.05.31

6/21 ブックトークイベント 国立夜読 第18回

ロゴ_網野_HP用_03

【名前は知ってるけど読んだことがない、くらいの人が対象のイベントです】

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【ブックガイド部とは】
ブックガイド部は「読書の文脈づくり」をテーマしています。
本は一冊、一冊独立して存在していますが、見えない所でつながっています。
それは人も同じ。
独立して存在するものが交わるときにあらたな文脈が生まれてくるはず。

過去の本と今の本
過去の人と今の人
過去のテーマと今のテーマを
ブックガイドという形でつなげていくことが
われわれの活動の目的です。
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読書範囲の広い国立本店メンバーの二人が様々な本を紹介していきます。
一冊の本から付随していつかの本を紹介するというスタイルです。

少人数でやっているので参加者の質問も大歓迎です。
テーマはややハードですが参加者からの反応を中心にして話を広げているので全くわからないということはないはず。

読書が重たいと感じやすくなってきた世の中で、一人では到達しがたい読書世界を案内できればと思っています。

【テーマについて】
今回取り上げるのは網野善彦さんです。

網野さんの専門は日本中世史。独自の領域を切り開いた業績は「網野史学」と呼ばれることもあります。
古文書の丁寧な読み解きを得意とした網野さんは、専門である中世史の領域で、それまで光が当たってこなかった部分を世の中に紹介しました。著作の中では多くの研究者の文献もひきつつも、一般の人が読んでも楽しめるようなものがほとんどです。
網野さんの本は本屋でも目に届くところに置かれるが多く、読書好きなら一度は手にとったことがあるかもしれません。

網野史学のキーワードは「自由」です。網野さんが知られるきっかけとなった本である『無縁・公界・楽――日本中世の自由と平和』には「無縁」がキーワードなって話が展開されています。「無縁所」と表現した場合、それはアジール、すなわち世俗の権力の届かない避難所のことを表します。アジール的な場所は日本だけではなく世界中で歴史的に存在が確認されています。日本においては寺社がそのような聖域となっていました。そこに集まったのは何らかの理由で多数派の秩序からはみ出してしまった人たち、ときには被差別民とされるような人々が独自の秩序で生活していたのです。(このような風景は映画『もののけ姫』で少し表現されていました)

網野さんが被差別民に近い人々、特定の場所に留まらず、職能民、海洋民、遊行の民などを研究対象として取り上げました。網野さんはなぜそのような存在にこだわったのか。その答えの中に網野さんが後世に伝えたかったメッセージがあるように思います。

網野さんの甥にあたる思想家・中沢新一さんの名著『僕の叔父さん 網野善彦』にはそんな網野さんの思いが凝縮されて表現されています。ある意味均質的な時代を生きている我々は、押し付けられる秩序に抗うことが困難です。本来何が常識で何が非常識か曖昧なところが、非常識というレッテルを貼られ追い詰められる人々がいる。そこから離れて少数者の秩序を構築することで自由を得る、必ずしも楽ではないですが、そのように自由を求めることに人間の本質があると網野さんは考えていました。
『僕の叔父さん 網野善彦』は叔父と甥のやりとりを通して「人間とはなにか」を考えさせてくれる、とても素敵な本です。

今回は網野さんの本の中で最も入門的かつメッセージの詰まった『日本の歴史をよみなおす(全)』(ちくま文庫)を取り上げます。
農業中心というイメージを持たれている日本の歴史のなかで、農業とは異なる職能を生きた人々に注目することで、まず日本社会の均質性に問いを投げかけ、中世世界において、独自の秩序で生きる人々の姿を謎解き風に解説しています。タイトルにあるようにこの本、あるいは網野歴史学自体が「よみなおし」あるいは「問いなおし」がテーマになっているようにも思えます。歴史学が単なる歴史の知識ではなく、人間にとって自由とは何かを問う、そんな側面があることを共有する予定です。

可能なかぎり、中沢新一『僕の叔父さん 網野善彦』で描かれているエピソードもお話したいと思います。
【概要】
日 時:6/21(金)19:30-21:30
場 所:国立本店
入場料:無料
内 容:本をめぐるお話
参加方法:FACEBOOKイベントページの参加ボタンを押す。
または国立本店のWEBページ入力フォームから

【今後の予定】
・書物論
・振り返り

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