2018.05.06

5/18 ブックトークイベント 国立夜読 第6回

ロゴ6_03

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【ブックガイド部とは】
ブックガイド部では、「読書の文脈づくり」をテーマしています。
本は一冊、一冊独立して存在していますが、見えない所でつながっています。
それは人も同じ。
独立して存在するものが交わるときにあらたな文脈が生まれてくるはず。

過去の本と今の本
過去の人と今の人
過去のテーマと今のテーマを
ブックガイドという形でつなげていくことが
われわれの活動の目的です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

広い読書範囲を持つ二人が語り役、聞き役に分かれてテーマについて話します。
対話の中で本を紹介していくという形式です。

少人数でやっているので参加者の質問も大歓迎。(聞くだけでも楽しめます)

【テーマについて】
民藝は柳宗悦を中心として作られました。前回は宗教学者でもある柳宗悦が、朝鮮の工芸品と出会い、思考を深めていったことをお話ししました。柳は民藝の美のなかに<暮らしの中で培われたもの>を感じ取り、そこに宗教的な意味を見出しました。

浄土真宗、主に親鸞の思想に影響を受けた柳は「 自然法爾( じねんほうに )」という観点で民芸品を見つめています。
自然法爾はあるがままに任せること、それが自然のはたらきであることをあらわす言葉です。

柳が民藝という「モノ」を通して考えた考えは、日本の中にいまもって存在するある種の価値感を呼び起こしてくれます。その価値観を「目に見えるもの」として伝えてくれるのが民藝とも言えます。

今回は現在において、「コンセプトとしての民藝」捉えようとした本を紹介します。

主に紹介するのは鞍田崇さんの『民藝のインティマシー』という本。
インティマシーは「いとおしさ」を表す英語。慣れ親しむ、親密さ、肌感覚のある親しみを含んだことばです。 <「いとおしさ」をデザインする>という副題にこめられたのは、私たちと「もの」の関係を新たにしていくという考えです。この本は、民藝運動が起こった時代と現代という時代の両者を考えることで、民藝というコンセプトが生きる道があるだろうと考えました。この態度は我々が行っている国立夜読の考えと近いものです。

その他、「複合の美」というキーワードで、文化の多様性、多様な美を認める思想としての民藝に着目した中見真理さん『中見 真理』、民藝における<普遍性>という観点から、現代の芸術を捉えようとした松井健さんの『民藝の擁護』など、現代において民藝を話題にした本について話します。

モノと人間、そして社会を考えた柳宗悦。柳宗悦にとってこれらのことを考えることと「美」について考えることは同じでした。
今の時代に置き換えるとどのような話になるのか、話はつきないと思います。

時間があれば周辺テーマについて少し触れたいです。
(民藝運動を担った人々、濱田庄司、河井寛次郎、バーナード・リーチなど。民藝と関わりのある19世紀イギリスのアーツ・アンド・クラフツ運動。土台となったジョン・ラスキンの思想、運動の中心となったウィリアム・モリスという人物。民藝との違いなどについて。)

【概要】
日 時:5/18(金)19:30-21:30
場 所:国立本店
入場料:無料
内 容:本をめぐるお話 「鞍田崇『民藝のインティマシー』を中心に」
参加方法:FACEBOOKイベントページの参加ボタンを押す。
または国立本店のWEBページ入力フォームから

【これまでに取り上げた人・テーマ】
・見田宗介 http://kunitachihonten.info/?p=2755
http://kunitachihonten.info/?p=2768
・鶴見俊輔 http://kunitachihonten.info/?p=2863
http://kunitachihonten.info/?p=2854
・民藝(柳宗悦)http://kunitachihonten.info/?p=2878
・渡辺京二 http://kunitachihonten.info/?p=2936
・中井正一
https://www.facebook.com/events/184026318880386/
・中村雄二郎
http://kunitachihonten.info/?p=2950

【今後のテーマ】
6月 河合隼雄さん
7月 書物について
8月 これまでの振り返り

この記事をシェアする