2018.04.05

4/20 ブックトークイベント 国立夜読 第5回

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【ブックガイド部とは】
ブックガイド部では、「読書の文脈づくり」をテーマしています。
本は一冊、一冊独立して存在していますが、見えない所でつながっています。
それは人も同じ。
独立して存在するものが交わるときにあらたな文脈が生まれてくるはず。

過去の本と今の本
過去の人と今の人
過去のテーマと今のテーマを
ブックガイドという形でつなげていくことが
われわれの活動の目的です。
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広い読書範囲を持つ二人が語り役、聞き役に分かれてテーマについて話します。
対話の中で本を紹介していくという形式です。

少人数でやっているので参加者の質問も大歓迎。(聞くだけでも楽しめます)

【テーマについて】
今回取り上げるのは哲学者・中村雄二郎です。1925年生まれで2017年に亡くられました。

長い間、明治大学で教えた人ですが、いわゆる大学教員・専門哲学者というよりは、一般の人に向けた本を多く書いた思想家です。著作の多くは岩波新書から出ており、絶版も多いですが比較的安価に手に入ります。

中村はいわゆる哲学者としての研究対象をもっておらず、「博覧強記」と呼ばれるくらい様々な学問の内容を結びつけて考えました。

中村はもともと理系の学問を学んでいたのですが、三木清の『パスカルに於ける人間の研究』を読んだことが哲学を専攻するきっかけになったと述べています。三木清には『人生論ノート』や『哲学入門』といった哲学的な用語がほとんど出てこない、一般の読者向けに書かれた本があります。ここにはパスカルの影響が感じられます。パスカルには「すでにある枠組を否定して自分に立ち返る」というスタンスがあります。中村は「哲学をバカにすること、それが真に哲学すること」というパスカルの言葉(『パンセ』)を座右の銘としていて、何度もの著作の中で紹介しています。本来目的だったことが、形だけ残って目的が忘れられてしまう。どんな領域でも起こりうることですが、そんなときに立ち返る運動として哲学がある、そう考えたがゆえに領域を超えて考え続けました。

中村がパスカル、三木清その他から受け継いだものは、哲学におけるエッセイ的な方法だと言えます。日本では散文として捉えられているエッセイですが、フランス語で「試み」を示すesseiから来ています。モンテーニュの『エセー』があり、ベーコンに『エッセイ』があり、思いつく所でヒューム、エマソン、ソロー、ニーチェ、ジンメル、ベンヤミン、アーレントなど、哲学・思想においてエッセイ的方法は決して傍流に位置するとは言えません。
(鷲田清一さんの名著『「聴く」ことの力』を読むとその方法の厚みが感じられるはず)

中村は「日本文化・思想界の一つの大きな問題は、一般に異なった領域を専門とする人間の間で、ほとんど話が通じないということであろう。そして、しばしば、そのことさえも自覚されない」と書いています。そして「古来テツガクシャの特権である<無知の知>という好都合な立場を使って」、自分の疑問を専門家にぶつけ、「<対話>の可能性をさぐるとともに、<対話>をとおして明らかになった問題点を、さらに<エッセエ>で展開することをこころみた」。 1964に出版された『日本文化の焦点と盲点』という対談本のあとがきの中で述べられているこの部分に、中村の姿勢が色濃くあらわれています。今でいう「学際的」であること、「対話」することの重要性を強く感じていた人であり、かつそれを担えるのは哲学者であると信じていました。「聴く」ことを重視し、聴いた内容を豊かに発展できる人だったといえるでしょう。

今回は『共有感覚論』を中心にして関連する著作に触れていきます。
共通感覚とは英語でいえばコモン・センスですが、コモン・センスが「常識」に近い意味を持っているのに対して、哲学上の起源であるアリストテレスの「センスス・コムニス」には諸感覚(五感その他)を統合する働きという意味があります。視覚優位で客観的な論理重視の近代以降の「理性的な知」に対してどのような知がありえるのか。中村が一貫して考えた続けたことを簡単に紹介します。

【概要】
日 時:4/20(金)19:30-21:30
場 所:国立本店
入場料:無料
内 容:本をめぐるお話 「中村雄二郎『共通感覚論』を中心に」
参加方法:FACEBOOKイベントページの参加ボタンを押す。
または国立本店のWEBページ入力フォームか

【これまでに取り上げた人・テーマ】
・見田宗介 http://kunitachihonten.info/?p=2755
http://kunitachihonten.info/?p=2768
・鶴見俊輔 http://kunitachihonten.info/?p=2863
http://kunitachihonten.info/?p=2854
・民藝(柳宗悦)http://kunitachihonten.info/?p=2878
・渡辺京二 http://kunitachihonten.info/?p=2936
・中井正一
https://www.facebook.com/events/184026318880386/

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