2016.02.10

【国立本10】これまでとこれからの国立本店 – その1 国立本店ができるまで –

今から5ヶ月前、2015年9月から「4期ほんとまち編集室(※注)」メンバーによる国立本店の運営が始まりました。「3期(〜2015年8月)」までは、立ち上げ人の萩原修さんがその室長でしたが、新たな場の運営等を模索する中、期の代わり目に、メンバーのみでの国立本店の運営を目指すことになりました。

そんな国立本店は新しい体制の始まりから程なくして、開店10周年を迎えます。10年の節目を迎えるにあたり、国立本店のこれまでを振り返り、国立本店をこれからどんな場所にし、「ほんとまち編集室」としてどんな活動をしていくか、そのヒントを探す為に、2015年8月23日、萩原修さんをゲストでお呼びし、トークイベント「これまでとこれからの国立本店」を企画しました。

このコラムではこれから数回に渡り、トークイベント「これまでとこれからの国立本店」で話された、国立本店やそこに関わる人たちの変遷をご紹介していきます。国立本店ができる前のこと、できてからのこと、そしてこれから。変化し続ける国立本店をお楽しみください。

さて修さん、どうして「国立本店」をつくったんですか?

(※注)ほんとまち編集室…本に触れ、街を歩き、編集し、デザインし、発信する活動体。年齢・職業共に多種多様なメンバーで構成し、9月から8月までの1年間を一つの「期」として、国立本店の運営を始め、フリーペーパーや書籍等の企画・制作・出版、国立をはじめとした地域での活動、各種イベントの企画・運営等を行っている。


 
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萩原修です。勤めていた会社を2004年に辞め、実家の「つくし文具店」をなりゆきで始めた同時期くらいに、「カンケイデザイン研究所」というプロジェクトを一緒に立ち上げた女性がいました。その方の実家が今の「国立本店」の場所にあり、よく遊びに来てたんですよ。

1階はそのお父さんが営む不動産屋だったのですが、ある時「この場所を誰かに貸そうかな」とポロっと言われたので、「じゃあ借ります」と。 値段も決まってないし、何をやるかも決まってないけれど、当時は拠点が欲しかったので借りることに。それでまずは家賃をどうしようかと。お金を出し合い、場をシェアするメンバーを7人募りました。建築家の寺田直樹さん、同じく建築家の笹敦さん、国立本店の最初のロゴを作ってくれたサダヒロカズノリさんといった面々です。他のメンバーもですが、みんな近くに住んでいて、元々実家も近く、親のつながりで会ったりしていたんです。

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今の国立本店と違い、当初は室内に大家さんの住まい(2階以上)に直結する出入口があったんです。不動産屋だったので大きなカウンターもありました。当然改装する必要があり、寺田直樹さんがそれを担当することに。

とにかくお金がないので安く。壁、床、天井すべてをペパーミントグリーン色に。優しい色と言えば優しいけれど、過激と言えば過激な色になりました。寺田さん的にはオレンジにしたかったけど、それはさすがに過激だと。現在の床色は黄色(※2015年8月当時)で少し近いし、今思えばオレンジもありだったかもしれません。

今ある青い椅子も当時からあるもので、イタリアのエンツォ・マーリというデザイナーのもの。発泡スチロール製だけど意外と丈夫で、今もほとんど壊れていません。現在はここにありませんが、照明はコンスタン・グルチッチのもので、一時期凄く売れたものを置いてました。改装にあたっては懇意の施工屋さんに頼みました。

本棚は寺田さんのプロダクトで、図書館などで使われているネット配線が出来るシステムの柱がついたもの。知り合い価格で比較的安く手に入れました。ちなみに今は土間のようになっている奥の事務所スペースは、2代目店長の和久さんが作りました。

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空間ができたら次は中身。国立本店の奥のスペースを事務所にして、誰かに貸すことにしました。最初に事務所を構えたのは、メンバーの中にいたデザイナーの三星安澄さん。そこで仕事をすると共に、店長としてお店の運営をしてもらうことになりました。

メンバーには建築家やデザイナーが集まったので、建築やデザインを伝える場にしようということにしました。国立本店は元々、「本」ではなく、基本的に「デザイン」がテーマだったんです。ただ国立本店は路面だし、7人だけで使っていてはもったいない、ということで「店」にすることにしました。店にしたら人が入ってくるんじゃないかと。

最初は店長の三星さんが切り盛りして、自分たちが読まなくなった古本や、自分が執筆した新刊も多少は置いていました。そんなに売れてなかったですけど。(その2に続く)

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