2016.02.10

【今月の10冊】2月:コタツでみかん本

「国立本店」の運営メンバーたちが、月替わりのテーマに合わせて選んだ一冊をおすすめするこのコーナー、2月のテーマは「コタツでみかん本」。まだまだ寒さが厳しい2月。部屋の中でコタツにすっぽり入り込んで、みかんを食べながらのんびり過ごす一日にぴったり合う本を10冊、選びました。あなたのコタツみかんのお供にいかがでしょうか?(タイトル50音順)


 

あたたかいおうちでまったり過ごす贅沢さを痛感

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真冬に暖かいところで読む一押しの児童書。児童書だからといって甘く見てはいけません。多忙を理由に仕事にかまけすぎて家庭をないがしろにしがちな方がいたら、絶対に読んで欲しい一冊です。真冬に引っ越しをした一家、パパは仕事に夢中で新しい住所もわからず、新居に帰ることができなくなってしまいます。家族に電話しても信じてもらえず、バスに乗って始発から終点までを行ったり来たり…そこから毎晩「会社から家に帰ろうと奮闘する」真剣な冒険が始まります。パパがあまりの帰れなさに面白くなりつつも、寒さでボロボロになりながら必死に家に帰ろうと頑張る姿にだんだん心を揺さぶられる感動ストーリー。
 
 

アホくさくてカワイイJKの日常

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この漫画にはセリフもなければ中身もないかもしれない。だからこそコタツでゴロゴロ、何も考えずに読むのにぴったりかもしれない。登場人物はそれぞれタイプの異なる女子高生3人。違うからこそ、それぞれの個性がひき立ち、その分アホくさくてかわいく思えちゃうのです。コタツでぬくぬくしながら、女の子3人組の日常を温かく見守ろう。
 
 

ぐうたら読書にもってこい!サバイバル長編マンガ

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主人公の少年少女たちは突然放り出された未開の地で、激しい天変地異をサバイバルしながら、とんでもない距離をほぼ徒歩のみで移動しまくります。夏も大変そうですが、極寒の冬のシーンは読んでいるだけで耳がちぎれそうです。あえてそんなエキサイティングなマンガを読みながら、こたつという安住の地でぐだぐだできる幸せをぎゅうっと噛みしめてみるのも、たまにはいいのではないでしょうか。
 
 

つげさんが撮った、昭和の地方温泉

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60~70年代につげさんが撮影した温泉街や宿の風景写真と、温泉エッセイ。登場する写真は、2016年の今目にすると、もはやファンタジー。ひっそりと佇む山奥の湯小屋や、北風吹きすさぶ中にぽつんと建つ湯治場。つげさんが好んで放浪をするのはどれも人気がまばらで、時がとまったような昭和後期の日本の片隅。読みすすめると奇妙なノスタルジーにすっぽりくるまれてなかなか現実に戻ってこれなくなるので、時間にゆとりのあるときにどうぞ…。しんとした冬のこたつでぼんやり読みたい…。(単行本バージョンには、温泉の短編漫画が6編収録されてます、おすすめ)
 
 

ゾクゾクと青春にのめり込め

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多くのミステリー小説を書かれている辻村深月さんのデビュー作です。雪の日に登校した男女8人の高校生は、なぜか校舎に閉じ込められてしまう。そのうち2ヶ月前に起きた自殺事件に突き当たりますが、8人は誰が死んだのかどうしても思いだせない。ホラーなのか? ミステリーなのか? はたまた爽やか青春小説なのか? 1000ページ超えを一気読み! 暖かい部屋のなかで、あなたも校舎に閉じ込められてみませんか。
 
 

究極のディスり本

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「パタリロ!」の作者・魔夜さんが送る、埼玉ディスり漫画。そのディスりぶりは究極、もはや士農工商並みの格差。そこらへんの草しか食べれない埼玉人は、百貨店には行けず、常用が許されるのは星友(西友)のみ。そして都内から埼玉入国には、通行手形なく突き進めない…。もはや笑いを通り越して、口が開いたままになる(笑)。作者が埼玉在住時代の悲しい思い出を徹底的につぎ込んでるのだけど、その隙間からちらちら愛が見えてしまうからなんだか脱力なのです…。
 
 

あなたの心身疲労を気功で癒す

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「疲労回復の本」
(作)津村喬
こたつとみかんで過ごす今頃は、体を休め一年の疲れを癒すのにちょうど良い時期なのだそうです。ということで、自分の身体に向き合いケアする本を選んでみました。これは今から10年以上前に買い求めていながらキチンと読んでいなかった本で、改めて読んでみると、話題はさすがに2000年問題だったり阪神淡路の震災だったりするのですが、テーマは自分の身体をケアする方法とあり方なので、今でも使えます。
 
 

ヘンタイはカワイイ!?

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「ヘンタイ美術館」
(作)山田五郎/こやま淳子
名立たる天才アーティストたちを愛をもって「ヘンタイ」と呼び、山田五郎さんの視点で解説していく。あのダ・ヴィンチが!? マネが、モネが!? 名前だけしか知らないという美術音痴さんでも大丈夫(私がそうです)。数々のエピソードをもとにその「ヘンタイ」さを褒め称える。教科書の中の偉人たちが急にかわいい近所のおじさんのように感じられる、脱力系学習本。
 
 

ぼうっとしながら流し見ていた広告をぼうっとゆっくり考える

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「物語のある広告コピー」
(編)PIE BOOKS
年始年末の新聞広告、日々の電車の中吊り広告、雑誌の背面あれやこれ。ビジュアルとコピーがどんどんと並ぶこの本をめくっていて、見たことある!と感じる広告は、記憶に残ることのできている広告で、じゃあなぜこの広告のどこが自分の記憶に強く残ったのだろうと、そこからどんどん思考は深く潜ることができます。ぼうっと単純に読み流すだけでも、短い言葉に芯のある強い思いが込められたコピー、簡素なようで、しかしどこまでも計算されているビジュアルをみていると自然にのめり込み、時には感動してしまう一冊。
 
 

幸せの黄色いオカメ。出会いと別れを繰り返し、鳥も人もオトナになるんだね

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「リボン」
(作)小川糸
少女とおばあちゃんが大事に世話をし、孵化させ産まれたオカメインコのリボン。リボンもふたりに慣れ、楽しげに歌って暮らしていた。ある日リボンは開いていた窓から外の世界へ飛び立ってしまう。出会った人の心に寄り添い、小さな明かりを灯しては飛び立つリボン。歳月を経て懐かしい木にたどり着いたリボンの瞳に映ったのは……。おこたでうとうと。本を閉じるとそこは公園のベンチ。肩にちょこんと黄色いオカメが乗っていて、首を傾げてこちらを見ている…。なんて夢と本のストーリーが交差して楽しめるファンタジーです。

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