2015.09.23

【夏のほんまつりレポートその4】 「余白書店 国立本店出張編 ~余白ネットワークから~」

「余白ネットワーク」さんにお会いしたのは国立本店が「国立文庫」として参加しているアサヒアートフェスティバル http://www.asahi-artfes.net/ が主催したあるイベントの会場でした。(アサヒアートフェスティバルは(AAF)は全国各地のアートプロジェクトをつなげ、支援する、アサヒビール株式会社が10年以上取り組んでいるメセナ活動です)

余白リーダーの女性が国立高校の出身者であったことも手伝いすぐに打ち解けることができました。まず、余白ネットワークの活動のひとつである「余白書店」という本を扱ったユニークな試みに興味を持ち、同じく本を中心に活動をしている本店と交流できたら面白いのではないかと考えたのがきっかけです。

「余白ネットワーク」はアサヒアートフェスティバルの他に文化庁メディア芸術祭の推薦作品に選出されていたり、アートの領域で活動しているように見えます。一方、国立本店では一応、「デザイン」を意識した活動を行っていますが、いったい私たちはどのような目的で何を「デザイン」しているのでしょうか?その活動内容は「アート」の方向からも語れるものかもしれません。「デザイン」「アート」という枠組みはさほど重要とは考えませんが、余白さんと照らし合わせて見た時に本店の活動に新たな側面が見えてきそうな予感がしました。

◆ 余白書店 とは…
http://yohaku-shoten.tumblr.com/
・余白ネットワークのご紹介
「余白書店」は余白ネットワークのプロジェクトの一つ。枠外感を持った人たちが余白を作る力(DiYのちから)をクリエイトしていく余白ネットワークについて過去のイベントのお話を交えてご紹介します。
◆ 余白ネットワーク とは…
http://akihabaranetwork.seesaa.net/

国立本店の夏祭りにあわせて余白ネットワークさんへ参加をお願いし「余白書店の査定ワークショップ」を8月26日に行うことにしました。
当日は外部からの参加者は5名、余白さんから3名、本店スタッフあわせて賑やかな場となりました。

古本に残る「手垢」から様々なストーリーを想像しそこに査定額をつけるという「査定ワークショップ」は本の見方がかわる新しい体験でした。普段、私たちが不要として見落としている部分、活字の無い部分、即ち「余白」に新たな価値を見いだす試みです。参加者が手にした本から「手垢」を見つけ出し査定額をつけての発表は非情に楽しい時間になりました。

少し話はズレますが、「ルビンの壷」という図形があります。画面の中央に書かれた大きな「杯」が向き合った「二人の顔」にも見えるという図です。「図」と「地」が逆転する現象、主役と思っていたものが脇に転じ引き立て役になるということです。ありきたりに物を観察していてはおきまりの答えしか導きだせず、なにより「つまらない」ことです。「余白」という概念にはそんな可能性を感じました。

後半は余白ネットワークの活動についてより深く伺いました。「余白書店」はたまたま世間の注目を浴びる事になってしまっただけ。成果をあげる義務もなく、各々がやりたい事を自由にやっている感じ。目的を定めずまた抑制もせずどのように人と人をつなげ活動していくことができるのか?とても疑問に思うところです。つかみ所のない印象の「余白ネットワーク」でしたが聞くところによると実態として一つの「場」が存在していました。主催者のである冠さんと住居のシェアハウスには人を呼び込む引力があり、そこに集う人々とのつながりから様々な試みが生まれている様子です。「そこに行けば人に出会える」「なんとなく足が向かう場所」国立本店もそんな魅力的な場所にできたらと感じました。最終的に「アート」だとか「デザイン」だとか、そんな話はしないまま終わりました。

一つの「場」があり「自分がしたいことを表現する」その思いが強ければ後押ししてくれる仲間ができる。それだけでも十分なことでは?と思いました。

江津

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